吸放湿材料 効果
- 山田 真司
耐震・断熱
性能向上リノベーション『再築-SAITIKU-』担当の山田です。
湿気を吸ったり吐いたり。
湿気の多い季節に人気の素材。
吸放湿材料。
主に自然系材料の
『珪藻土』
『炭』
『木質繊維系断熱材』など
吸放湿以外にも消臭機能や抗菌効果など説明されています。
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珪藻土のバスマット、◯トリさんでも販売されてます。
効果抜群で大ヒット。
素材の粒子が多孔質であるため水分を吸収しやすい形状となっています。
しかし、その素材の体積以上は吸収しません。
吸収効果は有限だということです。
自然系素材塗り壁が機能的で良いということで採用例がありますが、
湿度調節、いわゆる湿気を吸ったり吐いたり夏の蒸し暑さを期間中ずっと湿気を吸い続けるというのは違います。
湿気は大気中にあるもので蒸し暑い夏においては6月から9月中旬までずっと湿度が高いです。
家の中が一瞬乾燥できたとしても換気など行いますので、
大気中に無尽蔵にある湿気は家の中に流れ込んできます。
吸放湿材料は確かに湿気を吸いますが、その期間中は吐き出すことなく流れ込んできた湿気を溜め続けます。
塗り壁であれば厚み1ミリ〜2ミリ程度ですのでその体積が限界となります。
これで夏の蒸し暑さを解消できるでしょうか。
温湿度計を見ればよくわかると思います。
もしこれが吸放湿できると言われる気密シートであったり、断熱材だったら・・・
湿気を吸い続けた断熱材はエアコンでキンキンに冷えた足元当たりで壁体内結露のリスクが生じます。
または冬、屋内で湿気を含んで温めた空気が壁を透湿して冷たい乾燥した空気へと抜けていったら壁体内結露がおきます。
調湿シートも完全な防湿シートではないので幾分か透湿します。
それでも危険です。
調湿という魔法の言葉に惑わされないようにお気をつけください。
ロケーションを活かしながら、お客様のこだわりと理想を詰め込んだ「あなたらしい暮らし」を、10年以上の現場監督経験を活かして設計します。