将来のメンテナンス費用【設備編】
- 山田 真司
- 家づくりについて
耐震・断熱
性能向上リノベーション『再築-SAITIKU-』担当の山田です。
本日は将来のメンテナンス費用について。
今お住まいの家をリフォームしていただいているお客様は、
築30年、50年であったりします。
当然ながら新築された当初は建物を大金かけて建てられたのだと思います。
そこで年数が経つと傷んだところも出たりして、そろそろリフォーム。という流れかと思います。
ここで実家を相続された方や30代や40代で新築を建てられる方が住宅ローンを組んで新居を買いました、
そこで30年後に大規模リフォームするだけの余力があるでしょうか。
山田は10年前に新築を建てましたが、今から20年後まだ住宅ローンを払っていると思います。
そこで大規模リフォームはとてもではないですが無理です。
しかし設備や外装など劣化は進みます。
住み続けるにはメンテナンスは必要です。
自分自身が高齢になれば資金も限られているはずですのでメンテナンス費用が少なくて済む選択をしたいですね。
ここでメンテナンスすべき代表的なものを取り上げます。
【トイレ】
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画像はTOTO HPより引用
トイレの寿命は15年程度と思います。
これは主に機能部です。
昔のトイレは30年無事なものもありますが、シャワートイレが普及したため機能部の劣化が早まっています。
このためシャワートイレ一体型はその大部分を取り替えることになるためメンテナンス費用が大きいです。
これに比べ、タンク別体型はメンテナンスすべき部品が別々になっているためメンテナンス費用が少なくて済みます。
おすすめのタイプです。
【システムバス】
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画像はTOTO HPより引用
タイル風呂からのリフォームでシステムバスにされる方が多いですが、
黒カビやヌメリなどの日常のメンテナンス以外では水栓金具が15年ほどで故障するものと思います。
このほか壁パネルの劣化はありませんが、
浴槽がFRP製の場合に掃除などの摩耗によって汚れが落ちにくくなります。
近年、浴槽のリフォームコーティング技術が発達しましたが、
できるだけメンテナンスフリーで考えるなら
・ホーロー浴槽
・アクリル人大
が、おすすめです。
浴室の床が柔らかいものもありますが高齢者の視点で見て転倒に対して安心かと思います。
【給湯器】
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画像はコロナ HPより引用
電気温水器とエコキュートでは熱源の仕組みが全く異なりますが、
故障しやすい箇所としてはほぼ同じ部分と言われています。
そしてその寿命は15年と言われています。
これは他の設備とほぼ同じです。
ということは、運悪く修理のタイミングが重なることも考えられます。
高効率な設備ですがメンテナンスとしては、
『凍結させない』ということです。
寒さの厳しい季節では浴槽のお湯は捨てずにそのままにしておくことで『凍結防止機能』を作動させることができます。
これをすることでエコキュートの寿命を延ばすことができます。
【エアコン】
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画像は三菱エアコンHPより引用
エアコンは高効率の空調設備として必需品になっていますが、
セルフメンテナンスが難しいため10年を過ぎると能力が落ちると言われています。
これはフィルターを貫通した微細なホコリが結露で濡れたロータリーファンに付着し、モーターに負荷がかかるためです。
また、室外機もコアの目詰まりやファンのモーター負荷が原因で劣化します。
フィルターのこまめな清掃と、
冷房運転後は送風運転をすることで濡れた室内機コアを乾燥させてロータリーファンの黒かびや付着物がつかないよう、日々のメンテナンスが必要です。
必要不可欠の設備ですのでできるだけ機能のシンプルなもので負荷の小さなものを選びましょう。
住宅の断熱性能が良ければ6畳用エアコンを複数台で十分賄えます。
エアコンのお掃除ロボは高価な上、目詰まりで故障することも想定されますので、一生物と考えない方が良いです。
『部屋の大きさが◯◯畳だから◯◯畳用のエアコンにしましょう』
というのは非常に勿体無い買い物になります。
エアコンの容量は家電屋に聞くのではなく、空調計画ができる建築士に依頼しましょう。
ロケーションを活かしながら、お客様のこだわりと理想を詰め込んだ「あなたらしい暮らし」を、10年以上の現場監督経験を活かして設計します。