エアコン暖房の使い方
- 山田 真司
- 家づくりについて
- 性能について
耐震・気密・断熱
性能向上リノベーション『再築-SAITIKU-』担当の山田です。
本日のお題。『エアコン暖房の使い方』。
とても簡単です。
24時間運転することです。
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『でもめちゃくちゃ電気代がかかるじゃねえか』って声が聞こえてきそうですが、
そうではないんです。
『少しだけ電気代がかかります』そして『常に健康でいられます』
ということです。
日中は太陽が地表面を暖めてくれます。そうすることで気温が上がります。
もちろん建物も暖めてくれます。
パッシブ設計された家であれば日差しが窓から入る設計によって日中は日に当たった床を暖め、室温が少しだけ上昇します。
日が当たる時間は8時間程度。でも太陽の入射角は動きますのでピークは3時間程度。
日が当たらない部屋は寒いまま。
パッシブ設計も万能ではありません。
そして日の入りから徐々に放射冷却が始まります。
12時間かけて冷えていきますので日の出直前の建物は柱などもキンキンに冷え切っています。
ほとんどの人は朝起きて、キンキンに冷えた部屋にてエアコン暖房を作動させます。
でも壁も床の表面も冷たいまま。
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それはそうです。
建物そのものは蓄冷してしまっているのですから。
柱や床や天井など建物構造が冷えているので熱を吸収されてしまいます。
一度冷え切った建物構造を、熱を吸収されないくらいに温めるには相当時間がかかります。
いくら断熱性能を向上させたとしてもそのようなエアコンの使い方では
足の冷たさ、部屋の温もりは改善されません。
この状況をラーメンに例えてみます。
人気のラーメン店では、提供前にドンブリを熱湯で暖めています。
これは提供後もラーメンが冷めにくいように、あらかじめ冷たいドンブリを暖めておくためです。
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その後ゆっくりではありますが冷めていきます。
これが冷たいどんぶりであればあっという間にぬるくなります。
熱は冷たい側に『移動』します。
これを建物に置き換え直すと、
建物構造がある程度暖められていたら、室内も冷えにくくなるということです。
冬、明け方の外壁を見てください。
放射冷却によって熱を奪われた建物構造から熱が逃げるのは、外壁についた露を見ればどれだけ熱が奪われているかわかります。
きちんと建物構造まで暖めていたならば、徐々に冷めていってもわずかなエネルギー(電気代)で室温を維持できます。
エアコンが勝手に判断して熱を作って送り出すのを調整します。
エアコンの設定温度は23度。
23度の意味は人体の免疫力を維持できる最適な温度だからです。
これを24時間エアコンつけっぱなしです。
もちろん住宅の断熱性能は強化できての話です。
特に寝ている間はLDKだけでもつけっぱなしが良いです。
日中過ごすことが多い部屋のエアコンをつけっぱなしにした方が良いです。
日中気温が高く、エアコン暖房が熱いと感じたら止めてもいいです。
エアコンのサーモが効いて止まることもあります。
まだ間に合います。
日中の最高気温が20度付近の時期から暖房をつけ始めれば、
冷え切った部屋を温めるための莫大なエネルギー消費を回避することができます。
断熱性能を期待して、『いつまで無暖房で辛抱できるか』なんて冒険はやめましょう。
時間の無駄ですし、電気代も無駄になります。








ロケーションを活かしながら、お客様のこだわりと理想を詰め込んだ「あなたらしい暮らし」を、10年以上の現場監督経験を活かして設計します。